まず始めに言いたいのは、でる1000はとてもいい本だということ。
実際に僕自身、過去にお世話になった本だから嘘はない。
けど、何周もしているのにスコアが伸びないなら、
一度立ち止まって考えてみてほしい。
見直してほしいのは、取り組み方と、この1冊で対策しようとしている範囲。この2つです。
① 理解している=自分で説明できる
その問題、理解して解けていますか? それとも、答えを覚えていますか?
同じ問題を繰り返していれば、答えは覚えてくる。
解説だって、何度も読めば見覚えのある内容になる。
もちろん、繰り返すことは大切。
覚えることが悪いわけでもない。
ただ、ここに落とし穴がある。
答えや解説を覚えるほど、
今も自分で考えて解けているのかが、自分でも分かりにくくなる。
最初は悩んでいた問題に、すぐ正解できるようになった。
正答率も上がった。
それは理解が深まったからかもしれない。
でも、「この問題の答えはこれだった」と覚えているからかもしれない。
同じ問題の正答率だけでは、その違いが見えにくい。
本番で出会うのは、初めて見る問題。
覚えている答えを選ぶのではなく、
目の前の英文を読んで、その場で判断する必要がある。
だから復習では、正解できたかに加えて、
「なぜ、その選択肢が正解なのか」
「なぜ、ほかの選択肢は違うのか」
「この文はどういう構造で、どういう意味なのか」
そこまで、自分で説明してみてほしい。
解説を読めば分かることと、解説を閉じても説明できることには差がある。
「ここは形容詞が入るから」
そう答えられたとしても、なぜ形容詞が必要なのかまで説明できますか?
文法用語をきれいに並べる必要はない。
誰かに教えるつもりで、自分の言葉で説明できればいい。
説明しようとして詰まったところが、まだ理解が曖昧な部分。
そこを見つけて、もう一度整理する。
そして別の問題でも、同じ文法を使って判断できるか確かめる。
「今日は何問解いた」
「これで何周目」
頑張った量が見えるのはいいこと。
でも、予定の問題数を終えることだけが目的になると、
学習はいつの間にか作業になってしまう。
何周したかに加えて、何を説明できるようになったか。
そこも大事にしてほしい。
② 文法問題集だけで、Part 5全体を対策していないか
もう1つ知っておいてほしいのは、
でる1000は、そもそも文法問題に特化した本だということ。
本書でも、語彙問題は扱っていないと説明されています。
つまり、でる1000をしっかり使いこなしていても、
それだけでPart 5のすべてに対応できるわけではない。
語彙問題では、
単語の日本語訳を知っていても、答えを絞れないことがある。
例えば、「反対している」という意味を知っていても、
be opposed to doing
という形まで身についているか。
「気が進まない」という意味を知っていても、
be reluctant to do
という形で使えることまで分かっているか。
どちらも後ろにtoがあるけど、その後に続く形は違う。
日本語の意味だけでは、この違いを判断できない。
TEX加藤さんも、
意味だけでは選びにくい語彙問題について、語法から判断する方法を紹介しています。
さらに、どの単語と組み合わせて使うのか。
その文章では、どの意味で使われているのか。
単語を知っていることと、
文の中での使われ方まで身についていることは違う。
だから単語学習でも、
日本語訳を確認して終わりにせず、例文まで見てほしい。
後ろに続く形や、よく一緒に使う単語、
いわゆるコロケーションまで意識する。
問題演習で知らない使い方に出会ったら、そこもセットで覚えていく。
文法を固める学習と、語彙・語法の知識を広げる学習。
自分がどちらで失点しているのかによって、必要な対策は変わります。
でる1000で伸び悩んでいるなら、
本を変える前に、取り組み方を見直してみてほしい。
そして、理解して使いこなせているのに伸びないなら、
この本で扱っていない部分に課題がないかも確かめてほしい。
いい本だからこそ、何を身につけるために使うのかをはっきりさせたい。
初見の問題でも、確実に正解できる力を。
そのための学習になっているか、一度振り返ってみてください。
