以前の僕は、リスニングを伸ばしたいなら、とにかく英語をたくさん聞けばいいと思っていました。

聞く量を増やせば、少しずつ耳が慣れて、そのうち聞き取れるようになる。

そんなイメージです。

でも、英語コーチとして学習者の方を見ていると、「普段から英語を聞き流しています」という人が、必ずしも聞き取れるようになっているわけではありません。

むしろ、聞いている時間は長いのに、なかなか変化を感じられていない人もいます。

これって、昔の自分が思っていた「とにかく聞けば伸びる」と少し矛盾するんですよね。

じゃあ、何が必要なんだろう。

振り返ってみると、僕自身が「前より聞こえるようになった」と実感した時期には、オーバーラッピングをやっていました。

音声を聞きながら、スクリプトを見て、実際に自分でも声を出す練習です。

当時の僕は、今のように「リスニングにはこの順番がある」と整理していたわけではありません。

ただ、今になって自分の経験や受講生の学習を振り返ってみると、リスニングができるようになるまでには、大きく3つのステップがあると思っています。

まず、その英語を読んで理解できるか

最初は事前準備です。

聞き取れるようになりたい英文を、まず文字で見てみる。

そこで知らない単語や表現があれば、先に意味を確認します。

考えてみれば当たり前なのですが、文字で見ても意味がわからないものを、音だけで突然理解するのはかなり難しいです。

たとえば、知らない単語を何百回聞いても、「あ、この単語はこういう意味なのか」と自然にわかるとは限りません。

だから、聞く練習に入る前に、

「この文章、読めばちゃんと意味がわかるか?」

を確認しておく。

リスニングというと、すぐイヤホンをつけて音声を流したくなるんですが、その前の準備が意外と大事です。

次に、意味より先に「音」を取れるようにする

ここでやるのが、音取りです。

英語を聞いたときに、その音自体をキャッチできる状態を作っていきます。

僕は、そのために声を出すことがかなり大事だと思っています。

実際、受講生を見ていても、この「自分で声を出す」という工程は飛ばされやすいです。

音声を何度も聞く。
問題を解く。
単語を覚える。

ここまではやる。

でも、自分の口を使って英語の音を再現するところまでは、なかなかやらない。

僕自身、リスニングが伸びた感覚があったのは、オーバーラッピングをやっていた時期でした。

自分で発音しようとすると、

「ここ、こんなふうにつながっていたのか」
「この単語、思っていた音と全然違うな」

みたいなことに気づきます。

ただ聞いているだけだと通り過ぎてしまう音に、自分で声を出すことで初めて気づけることがある。

自分で再現できる音が増えてくると、実際に聞いたときにも「あ、この音だ」とキャッチしやすくなります。

ちなみに、この段階では、聞いた瞬間に意味まで全部わからなくてもいいと思っています。

まずは音を音として取れること。

意味を理解するのは、その次です。

最後は、英語を前から理解する

音が取れるようになったら、次は意味取りです。

ただし、ここでのゴールは「最終的に日本語訳ができること」ではありません。

英語の語順のまま、前から意味を取れるようになることです。

英語と日本語は語順が違うので、英文を見ると、つい後ろまで読んでから日本語らしい順番に並べ替えたくなります。

読むときなら、それでも時間をかければ理解できます。

でも、リスニングでは音声がどんどん先に進んでいきます。

後ろまで聞いて、

「えーっと、主語はこれで……」

と戻って考えている間に、次の英文が始まってしまう。

文章が長くなるほど、このやり方では追いつけなくなります。

だから、

聞こえてきた英語を、聞こえてきた順番のまま理解していく。

この感覚を作っていく必要があります。

「聞く量」の前に、どこで止まっているかを見る

もちろん、英語をたくさん聞くこと自体が悪いわけではありません。

僕も以前は、とにかく量を増やせばいいと思っていました。

でも今は、聞く量だけでは解決しないこともあると思っています。

そもそも単語の意味を知らないのか。
文字ならわかるけど、音になるとわからないのか。
音は聞こえるけど、意味を処理するスピードが追いついていないのか。

同じ「英語が聞き取れない」でも、止まっている場所は違います。

だから、ただ音声を流し続けるよりも、

自分は今、どこでつまずいているんだろう?

と一度確認してみる。

読んで理解できる。
音を取れる。
前から意味を取れる。

この3つを一つずつ作っていく。

僕自身、昔からこんなふうに整理して勉強していたわけではありません。

ただ、実際に自分がやってきたことを振り返ると、リスニングが伸びた裏側には、この順番があったんだと思います。

もし毎日英語を聞いているのにあまり変化を感じていないなら、聞く時間をさらに増やす前に、一度だけ「どこで止まっているか」を見てみてもいいかもしれません。

英語学習を、一人で迷い続けないために。

TOBIRAでは、現在地と目標を整理し、
次に何をすべきかを一緒に考えています。

サービスの詳細・無料相談はこちら

TOBIRA|英語コーチング